子供の頃の将来の夢って覚えていますか?
子供の頃の「将来の夢」は学校の先生だった。「学校の先生になりたい」と言うと、周りの大人が喜んでくれたからだ。皆んなが褒めてくれた。嬉しかった。本当に学校の先生になろうなんて微塵も思っていなかった。
小学生の時、『GOOD LUCK!!』というドラマを観た。流石に私の同級生にはいなかったが、少し上の世代では、このドラマを観て航空整備士になりたい人が増えたそうだ。でも私の興味は整備士には向かなかった。柴咲コウさんを見て「私も女優になりたい!」…そう思った。生まれて初めて将来の夢が出来た。
その当時、私は「女優になりたい!」と言ったところで周りの大人が手放しで応援してくれるはずがないと既に理解出来る年齢だった。友達にもバカにされる。だから私はこう言った。「文系に進んだら弁護士。理系に進んだら医者になりたい。」もう、願望を言っただけで褒めてもらえる歳ではなかったが、周りの大人が喜んでいるのを感じた。私は部屋に篭って紙に大きな字で「女優になりたい!」と書いた。泣きながらグシャグシャに丸めてゴミ箱へ捨てた。
何年か経って、結局私は役者への道を選ぶ事が出来た。両親の理解は得られていない。周りは私の事を大人になれないとか精神年齢が高校生とか言ってくるけれど、私からしてみれば随分と成長したものだと言ってやりたくなる。だって私はこんなにも自己主張が出来る様になったのだ。そうでなければ、私は今、お芝居などとは縁遠い世界にいる。